東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)は、南部理論を拡張して、温度や密度のある初期宇宙や身の回りの現象にはそのままでは適用できないという、南部理論の「例外」をすべて統一的に扱える理論を提案し、50年来の懸案を解明したと発表した。 成果は、カブリIPMUの村山斉機構長と米カリフォルニア大学バークレー校の大学院生の渡辺悠樹氏らの国際共同研究研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間6月13日付けで米学術誌「Physical Review Letters」電子速報版に掲載される予定だ。 超高熱のビッグバンで始まった宇宙は徐々に冷え、現在の状態となったとされる。ちょうど水を冷やすと氷になるように、宇宙も「相転移」を何度も経て来たという。 そして水が氷になると「対称性が自発的に破れる」のと同じように、ビッグバン以来、宇宙は対称性の破れを幾度も繰り返しながら現