作家には、自分の著書が売れて、急に「変わる」人がいる。 態度が変わる。 口のきき方が変わる。 付き合う人々が変わる。 ファッションセンスが変わる。 そして、かつての恩人に唾を吐き、自分を見出した小さな版元を切り捨てる。 それは、しかたがないことだ。 人間は弱い。どうしようもなく弱い。 著書が急に売れ、読者に、取り巻きに、メディアにおだてられば、勘違いもするだろう。 だけど、世の中には、何があっても変わらない著者もいる。 著書が何万・何十万部と売れようが、出会ったころとおなじように接してくれる人がいる。 どちらが、人間として「上等」か? ここに記すまでもない。 べつに、誰が変わろうが変わるまいが、僕の知ったことではない。 変わった人は、死ぬまでそれを貫けばいい。 けれど、世は諸行無常である。 今日売れた本が、明日売れるとは限らない。 いまの「大先生」が、十年後にはこの世界から姿を消しているこ
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