著者:別技 篤彦出版社:朝日新聞社装丁:文庫(315ページ)発売日:1997-06-01 ISBN-10:402261207X ISBN-13:978-4022612076 木村 長い間、世界の教科書の調査に従事してきた別技(べつき)篤彦さんが、諸外国と日本の教科書の違いを、戦争の教え方という面から明らかにしたのが、この本です。 先進諸国では、学習者の思考能力を発展させる興味深い内容の教科書ができているのに、日本はずっと後進状態にありまして―― 日本の社会科教科書では、戦争はいけないもの、人間はたがいに仲よく暮さなければならないなどの抽象的な数行の記述で簡単にすませているが、日本以外ではそうとは限らない。「戦争」という章を設けたり、戦争は人間の愚行であると明確にきめつけたり、人間はなぜ相手を殺すのかという人類学的な原点にまで遡ったり、初めて戦場へかり出されたときの若者たちの心理、また人間の