8月5 小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書) 8点 カテゴリ:社会8点 この本の刊行が予告されたときは「小熊英二が「日本社会のしくみ」などという間口の広すぎる本を書いたら一体何ページになるんだ?」などと思いましたが(実際の本は601pでした)、実際に手にとって見てみたら、「日本的雇用の形成と展開」とも題すべき、かなり焦点を絞った本でした。 ただ、それでも読む前は「濱口桂一郎の一連の仕事をまとめた感じか?」と思いましたし、序章を読んだときには「筒井淳也『仕事と家族』(中公新書)と同じく「濱口桂一郎+エスピン−アンデルセンか?」とも思ったのですが、読み進めていくうちに、まさに総合的な形で「日本的雇用の形成と展開」を描き出そうとする野心作であることがわかりました。 もちろん、濱口桂一郎『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)、『若者と労働』(中公新書ラクレ)などの一連の仕事や、菅山真次『「