〈問い〉 シベリア抑留者の未払い賃金の問題が未解決と聞きました。どういうことですか。(静岡・一読者) 〈答え〉 第二次世界大戦終結前後、約六十万人の日本兵士や民間人がソ連の捕虜として連行され、国際法に違反して抑留中に極寒のシベリアで強制労働をさせられ、約六万人が死亡しました。抑留者は一九四六年十二月から五六年までに帰国しましたが、過酷な労働の未払い賃金がまだ支払われていません。 この問題は無法な抑留をしたソ連に決定的責任があります。同時に日本政府も、連合軍の捕虜になり抑留国から帰国した兵士などには、抑留国の「未払い賃金証明書」(労働証明書)にもとづいて労働賃金を支払っています。政府にはシベリア抑留者への未払い賃金の支払い責任が問われています。元シベリア抑留者でつくる全国抑留者補償協議会(全抑協)は、連合軍の抑留者と同様に未払い賃金を支払うよう求めていますが、政府は「シベリア抑留者問題は決着