ブックマーク / blog.tinect.jp (58)

  • 「東京をやっていこうとしている」人たちの一喜一憂

    東京とその近郊にお住まいのみなさん。 みなさんは「東京をやって」いますか? 先日、ある場所で「東京をやっていこうとしている人たち」というフレーズを耳にした。 その時フレーズが暗に指し示していたのは、たとえば、タワマンに住んでいるパワーカップルの人たちだったりした。 ただ東京に住んでいるのでなく、彼/彼女らは「東京をやっていこうとしている」というのだ。どういうことか。 正反対の人々を連想すれば理解しやすいかもしれない。東京には「東京をやっていこう」としているわけではない人たちも住んでいて、そちらは二種類に大別できる。 ひとつは、東京をやっていこうとしていなくても自動的に東京的なライフスタイルや佇まいになる人たち。親の代から都内やその近郊の邸宅に住んでいて、なんの屈託もなく東京で暮らしている人たちだ。 もうひとつは、首都圏の不動産持ちではなく「東京をやっていこう」としているわけでもない人たち、

    「東京をやっていこうとしている」人たちの一喜一憂
  • 「実力主義なら面倒な人間関係は必要ない」はむしろ逆で、ドイツでは出世にコネ必須。

    ドイツ移住してからもうだいぶ経つが、実際に暮らしてみて、イメージとはちがうことが多々あった。 ドイツ人だって「かわいいね」とお世辞をいうし、地域によってはビールよりワインが好まれるし、みんなそこまで時間に正確なわけでもない。 そんななかで一番驚いたのが、ドイツ人がバリバリ残業して、そこそこ頻繁に職場の飲み会に顔を出していることだ。 え、ドイツ人って定時に帰るんじゃないの? 職場の人間関係はドライで、プライベートは別なんじゃないの? 最初はびっくりしたが、だんだんと、「実力主義になればなるほど飲み会が大事になる」という、イメージとは真逆の現実が見えてきた。 イメージとちがう!定時に帰るドライなドイツ人はどこ? 少し前、こんなツイートがバズっていた。 アメリカの会社で生き残る方法としては朝ちょっと早めに行ったり、定時の後他のチームメイトに手伝えることありませんかと声掛けして確認し無償残業した

    「実力主義なら面倒な人間関係は必要ない」はむしろ逆で、ドイツでは出世にコネ必須。
  • 正確に文章が読めない人の話。

    ”ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである” という一文から始まる「ロウフィールド館の惨劇」というミステリ小説がある。 「読み書きができない家政婦」がその劣等感をこじらせ、一家惨殺に及ぶまでを追いかける話で、映画化もされている。 3年ほど前に知人のすすめで読んだのだが、倒叙ものや、変わった話が好きな方は読んでみても良いと思う。 * ただ、ストーリーの強烈さより私が覚えているのは、文盲までいかずとも「文章が正確に読めない人」は、今でもかなりいるな、と思ったことである。 例えば、リーダーが部下に、こんなメールを送ったとする。250文字だから、ツイート2つ分弱だ。 明日の朝10時までに、私をCCに入れて、Yさんにメールを送っておいてください。内容は次回の定例までの宿題事項と、現在までに積み残している課題の一覧の二つです。積み残しの課題については、期限を

    正確に文章が読めない人の話。
    pandaman47
    pandaman47 2023/01/18
    新人研修でメール1件につき用件は1つにしろと教わった。今も可能な限り守っているが、読まない人はメール自体読んでくれないので結局電話することになる。でも証拠を残すためメールは送る。手間だから読んでくれ。
  • 人は「買いたい」と言うものと、実際に買うものが違っていて、数字や統計だけではそれがわからない。

    筆者の70代の義父は、よく新製品、いわゆるスーパー家電を買って来るそうだ。 いままではそれを「義父は新しいもの好きなんだなぁ」と思っていたが、実は義父がスーパー家電を買うのには、別の理由があったらしい。 さて、それはなにか? みなさんはわかるだろうか。 父がケーキを買うのはケーキが好きだから……ではない! さっそくネタバレすると、「娘と会いたいから」。 2人の娘は家を出て近所に住んでおり、「マッサージチェアを買った」といえば、娘たちは「使ってみたいから今度行くよ」と実家に帰って来る。 義父の狙いは、そこにあったのだ。 事実、購入した製品は、簡単に人には貸せない大きい設置型の家具ばかりだったという。 このくだりを読んで、わたしは実家の父を思い出した。 我が家には物心ついたときから、「21時半のお茶会」がある。 いつ、なぜ始まったかわからない。でも、20時ごろ夜ご飯をべ終わってそれぞれの部屋

    人は「買いたい」と言うものと、実際に買うものが違っていて、数字や統計だけではそれがわからない。
    pandaman47
    pandaman47 2022/12/27
    潜在ニーズを探るより売りたいものに対する欲求を人に植え付けたほうが楽そうだなーと思った。これが次の流行ですよーとかね。
  • アフリカの「若者の失業率60%」の国に行ったら、「日本人はよく働く」の意味がようやくわかった

    10月の終わりから、11月の頭にかけ、知人の紹介でアフリカの「ジブチ」に行ってきた。 変わった体験をしたので、レポートしたい。なお記事に書かれていることは事実に基づいてはいるが、あくまでも私見だ。 ジブチは、アフリカ東部の小さな国で、面積は四国の約1.3倍だが、人口はたったの100万人。 国土はほとんど砂漠で、「世界で最も暑い国」の一つと言われている。 農業に向いている国土ではないので、料の自給率はたったの3%。 輸入がストップすると飢えてしまう。 入国にビザが必要で、日人はほとんどいないが、自衛隊がソマリアの海賊から船を守るという名目で派遣されており、唯一の海外自衛隊拠点がある国だ。 他にもジブチにはアメリカ軍、フランス軍、イタリア軍、そして中国軍が駐留しており、巧みな外交と絶妙な軍事バランスの上に国防が成り立っている。 なお、ジブチでは東洋人と言えば、中国人らしい。 街を歩いてい

    アフリカの「若者の失業率60%」の国に行ったら、「日本人はよく働く」の意味がようやくわかった
  • 人類はこの先食っていけるのか。調べてみた。

    地球は人類を養えるのか? この前、国連かなにかの機関の奇抜な髪の色をした専門家が、「ロシアによるウクライナ侵攻と、世界的な干ばつにより、来年の世界の糧事情が危険だ」というようなことを述べていた。 奇抜な髪の色はともかくとして、おれは、「ロシアによるウクライナ侵攻と、世界的な干ばつが重なったら、世界の糧事情は危なくなりそうだなー」と思った。一つじゃない、二つだ。二つも大きな要素があったら、危ない。そう思った。 そう思ったおれは、「ひょっとして、地球の人口は地球が人類を養える上限を超えているのでは?」と思った。思って調べた。 まず調べて出てきたのはWikipediaの「適正人口」という項目であった。どこぞのだれかがいろいろな基準で算出した地球の適正人口は15億から20億人だという。 え、そんなに少ないの? というか、いろいろの基準がなかなかハードル高くない? とりあえず、えることが満たさ

    人類はこの先食っていけるのか。調べてみた。
  • 「子どもの質問」にとっさに答えられなくても、恥ずかしいことではないと思います。

    この記事で書きたいことは、下記のような内容になります。 ・「国際情勢について子どもに聞かれて、曖昧にしか答えられない父親が情けない」というような記事を見ました ・子どものあらゆる質問に妥当な答え方をするのは難しいし、その場その場の状況もあるので、単純に「答えられない」ことを指して「恥ずかしい」呼ばわりするのは妥当とは思えません ・それとは別に、子どもの興味や知的好奇心に対してどう答えるか、というのは、親としての重要なテーマです ・ケースバイケースですが、「すらすらと詳細に、丁寧に答えてあげること」ばかりが正解ではないように思います ・大事なのは、曖昧にしか答えられない場合にはきちんと「曖昧にしか分からない」と開示すること、そして「ちゃんと調べて答えるね」と言うこと、時には「一緒に調べよう」と言うことじゃないかなあ ・まあ毎回毎回そうも言ってられないんですけどね。皆さん日々お疲れ様です 以上

    「子どもの質問」にとっさに答えられなくても、恥ずかしいことではないと思います。
  • 「休めるときに休もう」だと、休めない。

    そういえば、さくらインターネットには2日以上連続の有給休暇を事前申請すると、有給休暇手当が1日あたり5千円出る制度あるんです。 もともと、直前の有給休暇申請を減らして、計画的に休みとって欲しいなって事だったんですが、効果てきめんでした。 ペナルティよりベネフィットだなと思います。 — 田中邦裕@さくらインターネット社長🐈‍⬛🐕 (@kunihirotanaka) 2022年9月12日 このツイートに対するリアクションを見ると、どうやら多くの人は、「ベネフィット」という言葉に惹かれたらしい。 会社がはっきりと「連休取得推奨」を表明していれば、従業員は気兼ねなく連休を申請できるし、さらにカネももらえるのだから、確かに魅力的だ。 でも実は、当に大事なポイントは、別のところにあるんじゃないかと思う。 それは、「計画的に休みをとる」というところだ。 なぜなら、長期休暇取得のためには、「仕事に合

    「休めるときに休もう」だと、休めない。
  • たいていの一般人は買い物には「コスパ」が重要で、企業の理念になんて、これっぽっちも興味がない。

    93%→44% 47%→67.4% さて、これはなんの数字だろう。 さっそく種を明かすと、これはドイツの人の「品を買う基準」の統計結果だ。 ロシアによるウクライナ侵攻前の2月末~3月頭にかけてのアンケートでは、品を買う基準は「味」と答えた人は93%、「価格」と答えた人は47%。 しかし4か月後、7月のようすを見てみると、「価格」が67.4%で「味」が44%と、価値観は大きく変化した。 ドイツ品価格が高騰、消費者は味よりも価格を重視(ドイツウクライナロシア) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp) 元ソース→https://www.bve-online.de/presse/pressemitteilungen/pm-180722-lebensmittelpreise-deutsche-sorgen-sich-und-achten-me

    たいていの一般人は買い物には「コスパ」が重要で、企業の理念になんて、これっぽっちも興味がない。
  • 勝ち組にしか未来のない人生100年社会は、個人より社会が間違っているんじゃないの?

    「私たちはどう年を取るのが望ましいか?」 いつの時代にもこうした問いはあっただろうし、私もずっと問い続けている。 これからの世の中、どう年を取っていけばいいのかわかった気がしない。 そうしたなか、最近、気になるに出会った。それを紹介しながら、高度な資主義と高度な高齢化社会の組み合わせについて書いてみる。 100年時代の人生戦略を語った『ライフシフト』 まず、を紹介しよう。 今回出会ったはリンダ・グラットン/アンドリュー・スコットという二人のロンドンビジネススクール教授が著した『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』というだ。 書はまず、従来までのエイジングを教育のステージ・仕事のステージ・引退のステージの3ステージ構成とみなし、それが時代遅れになっていると指摘する。 確かに。寿命が延びて就労期間も延びたのだから、若い頃に教育を受けたきり何も学ばなければ、働き口は狭くなり

    勝ち組にしか未来のない人生100年社会は、個人より社会が間違っているんじゃないの?
  • ド田舎と大都会の間には、「世界」が感じられるぐらいには豊かな領域がまだまだある

    東京と田舎、東京と地方を見比べ、どちらかを称賛したり罵倒したりする言説はネット上では事欠かない。 そうした時、東京を持ちあげたい人は田舎や地方は不便だと腐し、東京を悪く言いたい人は一極集中だ、お受験地獄だ、土地代の高騰だのを挙げる。 田舎や地方は自然に触れやすく、大都市圏は自然に触れにくい、といった言い草もありがちだ。 当は、首都圏でも案外自然には触れやすく、田舎や地方でも意外と自然に触れにくいものなのだが。 東京への一極集中が再び始まった -日経ビジネス たとえば日経ビジネス『東京への一極集中が再び始まった』という記事がアップロードされた時にも、記事に言及していた人の多くが東京と地方、とりわけ大都市圏と田舎を比較していたのをよく覚えている。 そうした比較の多くは、地方の国道沿いで暮らしている私の肌感覚には馴染まないものだった。 東京と地方を比較する言葉には、重要な中間項が抜けていると私

    ド田舎と大都会の間には、「世界」が感じられるぐらいには豊かな領域がまだまだある
  • 年収800万円を超えた世界では、お金で幸せを買うには「努力」か「嗅覚」が必要。

    有名な話に年収800万円で幸福は頭打ちになるというものがある。 <参考 年収800万円を超えると幸福度は上昇しなくなる | 幸福の「資」論 | ダイヤモンド・オンライン> あくまで体感的な話にはあるが、これは真実だ。 確かに、お金は使おうと思えばいくらでも使える。 だが、普通にお金の事を気にせずに暮らし、必要十分には欲が満たされる水準のようなものがある。 僕はこれを真の意味での生活水準と呼んでいるのだけど、この真の意味での生活水準こそが年収800万円という数値に現れている。 都心部で車を買ったり家を買ったりすれば湯水の如くお金が流出はするけれど、それなりに気を使って生きられるのなら年収800万円近くともなれば難しい事を考えずに普通に暮らしていたらお金はむしろ余る。そういうものである。 お金で幸せを買うのは、底が抜けたボトルに水をいれるようなもの この段階に到達した後、お金の力だけで幸せを

    年収800万円を超えた世界では、お金で幸せを買うには「努力」か「嗅覚」が必要。
  • 転職未経験の方には信じられないかもですが、「ちょっと給料がいい」という程度でも、気軽に転職する人は珍しくないです。

    ホーム > 転職未経験の方には信じられないかもですが、「ちょっと給料がいい」という程度でも、気軽に転職する人は珍しくないです。 この記事で書きたいことは、大体以下のようなことです。 ・転職未経験のマネジメント層の人が、「転職というものは非常にハイリスクであり、転職を決断するからにはよほどの理由がある筈」と考えているのを観測した ・個別のケースについては色々とあるだろうけど、現在「転職」というものは昔よりずっとやりやすくなっており、ちょっとした待遇向上や「環境を変えたい」程度の理由で気軽に転職をする人も増えている ・マネジメント層が、転職について「非常にリスクが高く、滅多なことではしない」ものだと考えていると、離職対策を誤る可能性がある ・そういった認識齟齬を防止する為に、転職をする気がなくても転職活動をしてみるのは悪くないかも知れない 以上です。よろしくお願いします。 *** ということで

    転職未経験の方には信じられないかもですが、「ちょっと給料がいい」という程度でも、気軽に転職する人は珍しくないです。
    pandaman47
    pandaman47 2022/01/05
    一度転職を経験すると転職って思ったより大したことじゃないんだってのがわかる。
  • 「親ガチャ」につける薬はなさそうだ。

    人間は人間を知りすぎてしまった 人間は人間を知りすぎてしまったのだと思う。薬もできていないのに。 人間が人間を知りすぎた。それは主に科学的に知りすぎたということだ。 もちろん、人間は古くから人間を知ろうとしてきた。 遠い天体の動きも知ろうとしたし、目には見えない小さな生物についても知ろうとした。 もちろん、自分自身にもその興味を向けてきただけだ。 骨はどのようにつながっているのか、筋肉はどのようについているのか、内臓はどのような役割を果たしているのか……。 やがて、あるいは最初からかわからないが、とうぜん意識を司っていると考えられる脳についても知るようになる。 あるいは、遺伝というものについて、遺伝というものの子に与える影響まで知るようになる。 もちろん、研究者には、「まだ知っているだなんて言えない」と言われるだろう。 まだまだ天体についても、人体についてもわからないことだらけなのもたしか

    「親ガチャ」につける薬はなさそうだ。
  • 「親ガチャ」は問題だと思うけど、自分の子供にはスタートダッシュさせたいというのが本音。

    参考リンク:「親ガチャ」は存在していて、個人の努力で解決するものじゃない派 – 斗比主閲子の姑日記 (https://topisyu.hatenablog.com/entry/2021/09/16/073000) これを読んで、「親ガチャ」について考えていたのです。 「親の影響」というのも多少はあるとはいえ、最貧国でべていくためにゴミの山から金目のものを探すしかない子どもたちならさておき、日であれば、頑張ればなんとなかあるだろう、いろんなサポートシステムもあるし……と、20年前くらいの僕は思っていたんですよ。 お受験で進学校とかに子どもを通わせると、世の中にはいろんな人がいる、というのがわからなくなって、偏った考えに陥ってしまうリスクもあるのではないか、それだと、社会に出てから困ることになるのではないか。 でも、自分が親になってみて、子どもを育てる側になると、結局、それなりのお金がかか

    「親ガチャ」は問題だと思うけど、自分の子供にはスタートダッシュさせたいというのが本音。
  • 「ネット断ち」をした僕が選んだのは、「ひたすらダラダラすること」だった。

    長年、「ネット依存」だった僕なのですが、最近、「ネット離れ」に取り組んでいます。 とくに「なるべくネットニュースや、ネットで話題の記事をクリックしないように」しているのです。 『News Diet』(ロルフ・ドベリ著/サンマーク出版)というに、こう書かれていました。 あなたがこの1年でむさぼり読んだニュースは、およそ2万にのぼるだろう。控えめに見積もっても、1日あたり約60は読んだことになる。 正直に答えてほしい。そのなかに、あなたが自分の人生や家族や、キャリアや健康やビジネスに関して、よりよい決断を下すのに役立ったニュースはあっただろうか。そのニュースを読んでいなかったら、下せていなかったと思える決断はあるだろうか。 私がこの質問をした人のうち、2以上のニュースを挙げられる人は誰もいなかった。年に2万ものニュースを読んでいるというのに、である。なんという関連性の薄さだろう! 私

    「ネット断ち」をした僕が選んだのは、「ひたすらダラダラすること」だった。
  • 「自分のような無能は子どもを持つべきではない」という考え方は「世俗のきわみ」。

    ああ、これこれ。反出生主義って世俗からの離脱とうつるかもだけど、正反対に、能力主義や成果主義や自己責任を厳しく内面化した結果として反出生主義ってあるように思うわけです。そういうの珍しくないんじゃないかな。 https://t.co/YOmevsmwf8 — p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) June 3, 2021 6月上旬にtwitterで上掲のようにつぶやいたところ、じわじわと「いいね」と「リツイート」が集まってきた。 このことをとおして、似た風に考えている人が結構いることを私は知った。 なので、このつぶやきに関連して、世俗のきわみのような自称-反出生主義について簡単にまとめてみる。 私にとって反出生主義といえば、輪廻からの離脱 反出生主義という語彙を頻繁に目にするようになったのは令和に入るか入らないかの頃、2010年代の終わり頃からだったと思う。

    「自分のような無能は子どもを持つべきではない」という考え方は「世俗のきわみ」。
  • 『失敗の責任は私にあります』と言えない責任者たちの話。

    昔、あるメーカーで経営企画職を担当していた時のことだ。 営業部の部長から、 「ウチの商品が絶対に安心で安全という証明書って発行できませんかね・・・」 と相談を受けたことがある。 聞けば、大口顧客との取引が受注寸前で、最後にそのような証明書を出せれば契約してもいいと言われているようだ。 しかし仕様書や保証書ならともかく、絶対に安心安全な証明書などどうしろというのか。 安心安全に使えるガスボンベだって火の中に放り込んだら爆発するし、腹痛を治してくれる胃薬でも用法・用量を守らなければ命に関わる。 どういうものを書いてよいのかわからず、先方ともう少し要件を詰めて欲しいと押し返すと、 「絶対安心安全の証明が要件なんですよ・・・」 と埒が明かない。 やむを得ず、一度部長に同行し先方の会社を訪れ、どのような証明を求めているのかをヒアリングすることにした。 応対に出てくれたのは、若い現場主任だ。 熱気と熱

    『失敗の責任は私にあります』と言えない責任者たちの話。
  • Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。

    鬼滅の刃」が絶好調だ。 あえて説明する必要もないが、劇場版の興行収入がえらいことになっていたり、単行の売り上げがドえらいことになっていたり、最終巻を求めて長蛇の列ができたり、めちゃくちゃ転売されたり、わけわからんコラボグッズが出たり、とんでもない状況だ。 見ると、町ゆく子どもたちのマスクまでどこかで見たような柄のものになっている。 これはもう社会現象と言っても過言ではないのだろう。 この「鬼滅の刃」はすごい。 たぶんどえらい作品だ。 そんなもの詳しくなくても分かる。 ただ、「たぶん」と表現しているのは、実はまだ観たことがないからだ。 そう、僕はこの作品に全く触れていないのだ。 原作も見てなければアニメも見ていない。もちろん劇場版も見るつもりはない。 やはり、たとえ末端といえども文章を書いたりして表現活動をしている者として、こういった作品は必ず抑えておく必要がある。 社会現象は多くの人に

    Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。
  • 老朽化していく築十数年のマンションというのは、まさに「日本」そのものだなと思った話。

    先日、僕が住んでいるマンションで、管理組合の総会が行われました。 総会、とはいっても、新型コロナウイルス感染予防への配慮もあり、基的には事前に配布した議案に対する回答や委任状に基づいて、必要最低限の参加者で議決する……はずだったのです。 僕自身、何年か前に管理組合の役員の順番がまわってきたとき以来、ほとんど総会には参加していなかったのですが、今回、諸事情(というか、また順番がまわってきただけなのですけど)で参加してみて、現在のマンション事情を痛感することになりました。 僕が住んでいるマンションは、築十数年で、昨年、大規模修繕工事を終えたばかりです。 立地は良いほうだと思うし、修繕も終えて、まあ、しばらくは大丈夫だな、人口が減っていき、みんなが街の中心部に集まりつつある日で郊外の一軒家に住むより、マンションのほうが便利だし、この先も安泰だろう、と思っていたのです。 ところが、マンション

    老朽化していく築十数年のマンションというのは、まさに「日本」そのものだなと思った話。