ロスジェネはいま 約61万人いるという中高年のひきこもり。「仮に中高年のひきこもりが働き始めたとして、そこに『希望』はあるのか」。自らに問いかけるようにつぶやいた言葉に、はっとさせられた。さとう学さん、41歳。中高年にさしかかったロストジェネレーションの一人だ。トータルで20年近いひきこもり、パワハラによる退職。様々な経験から得た生存哲学とは。 さとうさんと初めて会ったのは昨年9月、「ひ老会」(ひきこもりと老いを考える会)のミーティングだった。ひ老会は、ひきこもりの高年齢化に直面する当事者、経験者、家族らが定期的に集い、語り合う場だ。 「労働環境の悪化もひきこもり増加の理由になっているのではないか」「僕は働きたい。パワハラをなくして働く人を守ってくれ」 ひきこもりと雇用環境の関連について、さとうさんが熱心に意見を述べていたのが印象に残っている。 ひきこもりは、小学校3年生のときの不登校から