東京大名誉教授(社会人類学)の中根千枝さん(89)は1947(昭和22)年に入った東京大文学部で、研究生だった三笠宮さまと一緒によく同じ講義を受けた。 ほかの学生たちが遠慮がちに接するなか、中根さんは隣の席に座った。「宮さまが公務で授業を欠席すると、私が自分のノートを貸したり、私が遅刻すると、宮さまが『きょうはここまで』とノートを見せてくれたり。普通の友人のように接していただいた」と懐かしむ。 戦争に対する反省、一般の人々への接し方、そして学問への探求心――。三笠宮さまの振る舞いに対して、中根さんは「縛られない自由さ」を感じていたという。「それは、特別な地位にあったからであると同時に、精神の純粋さがあったからでしょう」と話す。 その純粋さは、言動にも表れた。 戦後、2月11日が「神武天皇即位の日」だとして戦前の「紀元節」を祝日として復活させようという動きに対し、三笠宮さまは歴史学者の立場か
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