素行症は,他者の権利を侵害する行為や年齢相応の主要な社会規範または規則に違反する行動を反復的または持続的に起こそうとする状態である。診断は病歴に基づいて行う。併存症の治療と精神療法が助けになることもあるが,多くの小児でかなりの程度の監督が必要である。 程度を問わない素行症の有病率は約10%である。発症は通常,小児期後期または青年期前期であり,女児よりも男児の方がはるかに多い。 病因としては遺伝因子と環境因子が複雑に絡み合っている可能性が高い。素行症を有する青年の親は,しばしば物質乱用や反社会的行動に関与しており,注意欠如・多動症(ADHD),気分障害,統合失調症,または反社会性パーソナリティ障害の診断を受けている割合が高い。しかしながら,素行症はよく機能した健全な家庭に属する小児にも生じうる。 症状と徴候 素行症を有する小児または青年は,他者の感情や幸福に対する感受性を欠いており,ときに他