江戸時代に疫病の流行を予言し、さらに病気が流行した際には自身の姿を描き写して人々に見せるよう告げ、姿を消したといわれる予言獣「アマビエ」。妖怪ファンには知られた存在でしたが、新型コロナウィルスの沈静化を願う人々による「アマビエチャレンジ」によって一躍有名になりました。そこで、日本で初めて「妖怪」で博士号を取得した、正真正銘の妖怪博士・香川雅信氏に、アマビエ(アマビコ)をはじめとする疫病退散の祈願にもちいられた異形のモノたちについて解説していただきました。 -------------------------------------------------------- 予言するモンスターたち――アマビエ、人魚、件くだん、そして 文=香川雅信(兵庫県立歴史博物館学芸員) 一匹の妖怪がSNSを席巻している。「アマビエ」という名の妖怪が。 この妖怪について伝えているのは、京都大学附属図書館が所蔵す