後世の歴史家は、20世紀末から21世紀始めにかけての10年を「日本外交の失われた10年」と呼ぶかもしれない。台頭する中国や日本経済の比較優位の喪失など状況の激変に日本政府はまったく気づかず、適切な外交政策を打ち出さなかったからだ。 中国の台頭を無視し続けたチャイナスクール 中国の経済的台頭は90年代半ばから明白だった。粗鋼などの生産力で日本を上回り、品質管理で日本に追いついたのがそのころだ。劣っていた生産の質さえ日本に追いつけば、人口が10倍の中国が一気に規模の面でも飛躍し、日本を凌駕(りょうが)していくのは当然だ。日本の一部メディアは90年代半ばからこれを繰り返し指摘していた。2000年以降は「中国台頭」は多くの雑誌なども競って書く定番の記事になった。だが、日本政府は目をつぶったままだった。 第1回東アジアサミット、会議開始前の記念撮影に臨む小泉純一郎首相(中)(右は温家宝・中国首相
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く