QE2は失敗だった、金融・財政政策限界で残る道はイノベーション――田中直毅・国際公共政策研究センター理事長《世界金融動乱》(1) - 11/08/24 | 12:13 ――米国経済の失速や国債格下げなどでドルの信認が揺らいでいる。 昨年秋に米国が開始したQE2(第2次量的金融緩和)は、新興国経済のインフレ期待を高め、石油や穀物など一次産品高騰を招いた。国際経済に多大な影響を与える一方、米国のリアルエコノミー(実体経済)は失速している。 ドルの保有の過半が非米国の国々という状況下では、米国の金融政策は世界の信用創造やインフレ期待を刺激し、世界のリスク性資産の分布を歪めることをFRBは百も承知だった。 だがFRBは、グローバルに大きな影響を与える前に、米国の実体経済を持ち上げ、出口戦略に持って行くという唯一のソリューションに賭けた。 結果は、失敗だった。それがドルの信認という話につ