今回は読むのでR!で定義が問題となった「ラチェット効果」の話です。 語句の定義やその含蓄(インプリケーション)は、学問分野によってかなり異なるようなので、このメルマガ上ではソ連の計画経済体制から観察されたラチェット効果をそのイメージ(定義)といたします(確かh11年度の経済白書でもそのような意味合いで用いられていたように思うが)。 共産主義経済と財やサービス 20世紀初頭、世界は共産主義運動によって席巻された。 共産主義者による革命がソ連・東欧・中国に起こり、玉突き衝突のように世界各地で同様の共産主義を標榜する国々が続々と誕生した。 だが共産主義政権は殆ど例外なく国家権力の独占を好み、当初こそ野党などの批判勢力を容認するような態度を見せたが、自由な経済体制の下では国民がすぐに共産党に反旗を翻すと見るや否や、国家のありとあらゆる権利や権限を共産党の下に集中させ、経済体制も自由主義的な経済から