日本国憲法は一切合切国民の人権を侵害してはいけないとは言っていません。場合によってはやむを得ないという許容は持っています。 わかりやすい場面で言えば、犯罪を犯した者を刑罰に処す場面です。形式だけで見れば、あれは国家による人権侵害なわけですが、それが許されるわけですね。なぜか?そういう法律があるからです。 このページでは、犯罪を犯した者の処罰が許される根拠についてお話したいと思います。 罪刑法定主義とは 「刑法」という法律は皆さんご存知でしょうか。先ほど言いました、犯罪を犯したら処罰される法律と言えばまずは刑法です。傷害罪や強盗罪、殺人罪も刑法規定ですから。 この刑法には「罪刑法定主義(ざいけいほうていしゅぎ)」という基本原則があります。罪刑法定主義とは、人を犯罪者として処罰するには、民主主義の過程で制定された法律によって、予め罪(構成要件)と罰を明確にしておかなければならないという原則です