ファイザーは、いかにして新型コロナワクチンをスピード開発したのか。ビオンテックとの共同開発や臨床試験、初のメッセンジャーRNAワクチン製造といった過程は、製薬業界だけに価値のある話ではない。あらゆる業界のあらゆる規模の組織が、自社の問題解決や社会全体に役立つ重要な仕事をする際にも活用できる。本稿では、ファイザーCEOのアルバート・ブーラが、不可能と思われた挑戦をわずか8カ月で実現させた過程と、前例のないワクチン開発から得られた6つの学びを語る。 『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2021年7月号より、1週間の期間限定で全文をお届けする。 わずか8カ月でワクチンを開発 新型コロナウイルス感染症が世界を席巻しつつあった2020年3月19日、私はファイザーの全社員に「不可能を可能にしよう」とあえて挑戦的な課題を与えた。──いままで誰にもできなかったほどのスピードでワクチンを開発し