ある大手企業のCIO(最高情報責任者)から話を聞いていると、この人が不思議なことを言い出した。「最近のITベンダーは得意分野に特化して分業が進んでいるから、どのITベンダーも全体最適の観点から提案できなくなってきているよね」。うーん、どういう意味だ。 確かに最近では、日本のITベンダーが客に対して全体最適の観点から業務改革も含めたシステム刷新を提案した、なんて話をほとんど聞かない。そんな提案をするのはもっぱら、外資系コンサルティング会社やERP(統合基幹業務システム)ベンダーのコンサルタントの仕事だ。当然「日本のITベンダーは昔からまともな提案をしたことなど無いぞ」とのつっこみが入ると思うが、CIOの発言の後半、「全体最適の観点から提案できなくなってきている」は理解できる。 問題は前半部分だ。「ITベンダーは得意分野に特化して分業が進んだ」とはどういう意味だ。大規模案件ならSIerを頂点に
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