かつて大型トロール船を率いて遠洋漁業で稼いでいた大手水産会社は、EEZ(排他的経済水域)が設定されて200カイリ時代が始まって以降、漁獲から徐々に撤退。商社機能や加工業の育成と並行し、養殖技術の開発に注力してきた。高級魚種、クロマグロの完全養殖が商業化に至るなど、成長の原動力になっている。 しかし、養殖も漁獲で問題となっている資源の課題から離れられない。餌に利用されるイワシやサバも、養殖に適した海水面も、有限の資源だからだ。マルハニチロ、日本水産はどんな課題認識と成長の青写真を持っているのか。両社で水産業を統括する役員に聞いた。 2018年3月期までの中期経営計画では、漁業・養殖ユニットの目標が売上高366億円(14年3月期から7%増)、営業利益で25億円(同2.5倍)。水産商事ユニットが売上高684億円(同4%減)、営業利益が30億円(同11%増)。17年3月期の時点でほぼ達成しています