インドでは貧困層を支援する政府プロジェクトの切り札として住民皆ID制度の設立を準備中です。 向こう4年半の間に6億人(最終的には10億人以上)に対してそのひとりひとりに固有なID番号を交付してゆきます。 先日、このプロジェクトの愛称が『アドハー(AADHAAR=「基礎」の意味)』に決まりました。 このプロジェクトを総指揮しているのはインドを代表するITアウトソーシング企業、インフォシスの創業者、ナンダン・ニレカニです。 日本人には想像しにくいのですがインドは戸籍制度がきちんと確立していないため、裕福な家庭に生まれなかった子供は銀行に口座を開ける際などに自分の身元を証明することが極めて困難です。 銀行も身元確認にかかる手間や費用が莫大すぎるので、農村部での支店網の展開には消極的でした。60万あるインドの地方都市のうち、銀行の支店があるのは僅か6%に過ぎません。 この作業はいち金融機関の担う作