国際原子力機関(IAEA)の定例理事会(日米など35カ国)が1日、ウィーンのIAEA本部で始まった。5日間の日程。天野之弥事務局長が2月の報告書で核弾頭開発の可能性を初めて指摘したイラン核問題への対応が焦点。同国に対する新たな経済制裁実施に弾みをつけたい欧米とイランとの攻防が本格化する。 事務局長として初めて定例理事会に臨んだ天野氏は冒頭演説で「イラン国内のすべての核物質が平和的活動に用いられているか確認できない」と懸念を表明。核開発の「軍事利用の可能性」を指摘し、イランに疑惑解明に向けた協力を求めた。 また北朝鮮核問題では、昨年4月に寧辺の核施設からIAEA監視要員が追放されたことを挙げ「IAEAは監視活動を行えず、報告事項もない」と述べるにとどまった。(共同)