初音ミクは文楽(人形浄瑠璃)だったらしい。写真は『艶容女舞衣』 冨田人形共遊団(滋賀県長浜市) photo: Wikipedia “Osonowiki” CC BY Ellywa なんとボカロは日本の芸能の王道だった、というのが今回の話。 「なんか初音ミクってのが流行ってるんだって。よく分からないけどアニメみたいなキャラクターが歌う、バーチャルアイドルみたいなものらしいぜ」 というのが世間一般のイメージなのだろう。もちろんイラストとして良くできている、可愛い、といったあたりは見た通りだが、ボーカロイド文化を支える普遍的装置(もう4年も人気が衰えないのだから、そう言って差し支えないだろう)としてこのキャラクターが機能し続けている理由が、正直言って私にも良く分かっていなかった。 それはアイドルに入れ込んだ経験がないこと、宇宙戦艦ヤマトを経験しているはずのオタク第一世代であるのに、そうしたものを
ロシアのインターネット上には絶えず「国外移住」というトピックが存在するが、それはここ数ヶ月、新たな盛り上がりを見せている。様々な社会集団に属するブロガーたちが投稿した説得力のある記事を舞台に、ロシアという国の現在と未来についての見解や、人々の境遇が語られているのだ。 ロシア人の大量移住は、一世紀以上前からの問題だ。これまでに幾度も移住の動きが押し寄せ、何百万もの有能な労働者、科学者や物書きがロシアから流出した。以降、ロシアからの移住は絶えず続いている。近年、経済状況が改善しているとはいえ、いまだに多くのロシア人が国を出ることを夢見ている。 ロシアの新聞Novaya gazetaの伝えるところによると、最新の世論調査でロシアを永遠に離れる意思を示した成人の割合は22%にのぼった(主にビジネスマンや学生)。同新聞にはまた、「近年」ロシアを離れた科学者やエンジニアの人数は130万人にのぼるという
職業柄、外交関係の雑誌にはできるだけ目を通すようにしている。特に気に入っているのはCFR(米外交問題評議会)が発行する「フォーリン・アフェアーズ」誌だ。最新号の特集は「ポスト9/11」だったが、たまたま中国に関し対照的な2本のエッセイを見つけたので、今回はこれをご紹介したい。 対照的な2つのエッセイ フォーリン・アフェアーズといえば、以前は「中央公論」や「論座」で主要論文の日本語訳が読めたものだが、今やそんな贅沢はなくなった。同誌「日本版」も発行されているが、今回ご紹介する中国関係エッセイはいまだ翻訳されていない。仕方がないので、概要のみ簡単にご紹介しよう。 第1のエッセイは「中国のスーパーパワー化は不可避(The Inevitable Superpower)」と題され、中国経済がGDP、貿易量などの面でいずれ米国経済を追い抜き、中国が世界最大の債権国となることは間違いなく、さらにその時期
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