隣で母親が祖母にブチギレるのを壁越しで聞きながらそれを打ち消すようにイヤホンを耳に差し込み斉藤和義の「やさしくなりたい」を聞きながら、就職出来ずにニートになってしまうんじゃないかと自分の未来に怯える日々。 私にとって母親は大切で尊敬できる、私に最も優しい人で、大好きなんだけど、この瞬間の母親はあんまり好きじゃない。 自分にとって優しい人が誰かに優しいわけじゃないし、善人が本当に善人ってわけでもなくて、生理的に許せない存在はあるんだな。 私は母親に似てるって言われるとちょっとだけ嬉しい気も起きるけど、母親は祖母に似てるって言われても全然嫌そうだ。 私は、あまり人の好き嫌いがない方だった。 相手を好きになったり、嫌いになったりとか、物を好きになったり、嫌いになったりするのは苦手で、なんでも受け入れたい、という気持ちがある。特に、悪人でも、嫌いになれないことが多くだ。「アイツは悪いやつだから好き
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