◇働く者の受難、どこまで 東京・原宿などを中心に国内外に約95店舗を展開する人気ブティック「ビームス」(設楽洋社長、東京)の洋服を作っている愛媛県内の縫製工場が、外国人研修生・実習生として働いていた複数の中国人女性に違法な低賃金労働をさせていたとして昨年、処分を受けた。工場の経営者や帰国した研修生らに話を聞くと、年末年始もなく明け方まで過酷な労働を強いられる「平成の蟹工船」が、ファッション業界を支える実態が見えてきた。【後藤直義、写真も】 ◇パンかじり、明け方までミシン ビームス社は76年、東京・原宿で創業。輸入品と自社オリジナルの洋服を並べる「セレクトショップ」の先駆けで、同社ホームページによると、グループ2社の年商は計670億円(08年2月決算)。縫製工場の経営者によると、工場は00年ごろ、大阪市の業者を通して同社の洋服作りを委託された。 しかし、慢性的な人手不足で、05年から外国人研