人間の「生」にとって「スポーツとはなにか」を問う。それは「儀礼」なのか,それとも「贈与」なのか。はたまた「宗教」なのか。この問いはどこまでも広く,かつ深い。 もう,内田樹さんの「街場」ものはいい,と思っていましたが,「五輪論」となれば見過ごすわけにもいかず,とりあえず,さっと読みました。大きな活字で,余白もいっぱい。3人の友情あふれる馴れ合った関係がまるみえの「雑談」。 ひとことで感想を言わせてもらえば,本にすれば「売れる」,という単純な発想の企画でしかありません。じつに安易で,いい加減なお話がほとんど。鼎談のなかでは,オリンピックが商業主義に毒された単なる金儲けでしかない,だから,東京での五輪開催に反対だ,とこき下ろしながら,自分たちもまったく同じことをやってらっしゃる。その自己矛盾にも気づいていないとしたら,この人たちももう「おわっ」ですね。 でも,さすがに内田樹さんは,ほかの二人のど