「クラスでボール投げをやらせると、男子でも8割くらいの子が“女の子投げ”をするのが普通です」…近年、ボールを正しく投げられない子どもたちが増えているという。ボール投げの飛距離も年々低下、いったい何が起きているのか? ジャーナリストの石井光太氏の新刊『ルポ スマホ育児が子どもを壊す』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) なぜ「女の子投げ」する男の子が増えたのか? 写真はイメージ ©getty ◆◆◆ バンザイの姿勢をとれない 学校生活では帰宅組と学童組だけでなく、運動能力の面でも運動ができる子とそうでない子の“分断”が顕著だという。 先日、保護者向けの講演会で小学校を訪れた時、見慣れない光景に出くわした。校庭であるクラスが体育の授業でドッジボールをしていた。子どもたちの何人かが黒い防弾チョッキのようなものを上半身につけている。 最初、私は運動能力の高い子た