日本刀の機能を端的に表わす俗語が「折れず、曲がらず、良く切れる」である。折れず、曲がらずとは願望であって、そんな刀は存在 しない。正しい表現は「折れ易からず、曲がり易からず、良く切れる」である。 陸軍少将・村田経芳が、標語通りの明快な優先順位※1を示した。折れ易からず、曲がり易からずの要素は相反する。 刀剣関係書やWebでは「軟らかい心鉄を硬い皮鉄で包む構造※2は世界に例のない日本刀独特の高度な技術」と賛美する。 この心鉄構造は二枚鍛え、合わせ、マクリ、甲伏、三枚、四方詰め等様々に呼ばれている※3。 無節操な御用学者も追従して、これが日本刀の絶対条件と錯覚された。 その為に、丸鍛え(無垢鍛え、一枚鍛え)は蔑視され続けて来た。 これは鋼材に就いても同様である。 ところが、日本刀は玉鋼を使って心鉄を皮鉄で包む構造になった為に劣化したのである。(刀匠と刀身の個体差を無視しての一般論) 天文、或は