“貧血”というと、女性と深く関わりのある疾患とイメージする方も多いかもしれません。 また、内科や産婦人科領域の疾患であり、スポーツドクターの話題に違和感を覚える方もいるかもしれません。 しかし、スポーツ選手、特に成長期にあたる育成年代の選手においては、男女問わず貧血の選手は多くいると言われ、その割合は40%にも上る可能性があります。40%と聞くと多いように感じますが、この数字には自覚症状のない”隠れ貧血”も含まれているのです。 私たちスポーツドクターは、スポーツ整形外科的な知識のみならず、アスリートに関する事であれば内科・外科・小児科・産婦人科など広い領域の知識が求められます。今回はその1つとして“貧血”の話題提供をしたいと思います。 貧血の主な症状は、起立性低血圧(いわゆる、立ち眩み)、頭痛、動悸、息切れなどの易疲労感(持久力の低下)、口唇や眼球結膜の蒼白(顔色が悪い)、などが思い当たる