デザイナーでもある作者本人が装丁を手がけている。市川春子「虫と歌」(講談社)より 『月刊アフタヌーン』(講談社)の主宰する新人賞「2006年夏の四季賞」にて、「虫と歌」で大賞を受賞しデビューした市川春子。彼女の出現はちょっとした事件であった。それほどまでに、デビュー作の非凡さは読者を唸らせたのだ。その後、『月刊アフタヌーン』にて、寡作ながらも作品を発表し続け、今年。3年の月日を経て、処女作品集「虫と歌」が発売されるやいなや一部で熱狂的な支持を得た。なぜ、彼女の作品がそれほどまでに読者を魅了するのか。その魅力を明らかにしていきたい。 身体欠損、欠落した感情。圧倒的に欠けているモノの言葉を聞く 市川春子のテーマはあまりにも一貫している。そのテーマはデビュー作「虫と歌」にすべてが込められていた。 兄と弟と妹が静かに暮らしていた。兄の仕事は新種の昆虫の模型を作ることらしい。その昆虫の模型は何処かで
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