朔望月と恒星月 日ごとに姿を変える月は、日時の経過を知らせてくれる暦として古代から親しまれてきました。地球は太陽のまわりを公転し、月は地球のまわりを公転しています。今回のお話では月と地球の動きについて、もう少し詳しく見てみましょう。 1ヵ月の定義としては、〔月〕のお話で、1朔望月を「満月から次の満月までの時間」と定義しました。これまで使ってきた概念を使うと、1朔望月は「1太陽月」と呼ぶことができます。正確な値として現在では次が分かっています。 “恒星年”、“恒星日”と同様に1恒星月も次のように定義されます。 1恒星月を計算してみましょう。図1 を見てください。A, B, C は地球で、D, E, F は月です。D と F は満月で、したがって、A から C までの期間が1朔望月です。AD の方向に仮想的な星があると考えます。月は地球のまわりを反時計回りに回り、E で天球の同じ位置まで戻って