モハメド・サラーの涙の退場とガレス・ベイルの見事なオーバーヘッドキック。2018年チャンピオンズリーグ(CL)決勝で勝負のカギとなったふたつの瞬間だ。一方で、それと等しいインパクトをもたらしたのが、リバプールのGKロリス・カリウスが犯した2度のミスである。 試合後、スタンドのファンに謝罪するカリウス ボールをキャッチしたあとに素早くアンダースローで味方にパスを出そうとしたところ、カリム・ベンゼマに足を出されて先制点を献上。そして終盤には、強烈ではあったが正面に飛んできたベイルのシュートを弾ききれず、痛恨のだめ押し点を許した。 クラブフットボールの頂点を決める大一番で、あってはならない失態だったことは確かだ。ただし、そこは尋常ならざる戦いの場だった。記者席からでも、息苦しくなるような張り詰めた緊張がひしひしと感じられた。ちょっと手を伸ばせば、電気が走りそうなほど。 24歳のドイツ人GKカリウ