突きが喉を直撃、どうしよう のど(頸部)の前面中央には のど仏(アダムのリンゴ、甲状軟骨)があり、下部の気管や声帯などを保護しています。気管は呼吸のための空気の通り道で、その後ろに食道が普段はぺちゃんこの状態にあり、両脇に頭蓋内に血液を運ぶ総頸動脈があり、後方に頭を支える首の骨(頸椎)と横隔膜や手足を動かす脊髄神経(頸髄)と、直接生命に深く関わる多数の重要な器官が集中しています。そのため、面には突き垂れ、その後ろに用心垂れがあり、さらに剣道着のやや厚く織り込まれた襟を重ねることにより、この周辺の大切な部分を保護しています。なによりも剣道着や面の正しい装着が基本であり、「突き」による事故防止につながります。(図1②) 「突き」に伴う損傷には 気管や頸動脈への直接的損傷、頭を大きくのけぞる頸部や肩への過伸展による頸髄損傷などがあり、見かけ上、軽微な外傷でも障害が長引いたり、時に生命危機につなが