愛らしいネコは世界史とともにあった。イエネコの移動経路や各品種の起源を探る指標となる内在性レトロウイルス(過去に感染したレトロウイルスの痕跡)を、京都大学ウイルス研究所の宮沢孝幸(みやざわ たかゆき)准教授と大学院生の下出紗弓(しもで さゆみ)さん、東海大学の中川草(なかがわ そう)助教らが発見した。この手法で、中東から欧州、米大陸へ移動したネコ集団と、シルクロードを伝ってアジアに広がった集団に大別されることが遺伝的に初めて裏付けられた。約100種類あるネコ品種の起源をたどる手がかりにもなりそうだ。2月2日付の英オンライン科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。 イエネコの家畜化は穀物を荒らすネズミの捕獲用として、約1万年前に中東で農耕の発達とともに始まり、次第にその愛らしさからペットの側面が重視され、多様な品種がつくられてきた。一部のネコたちは貿易商人やバイキングたちと欧州を旅して
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