本連載は、昨年まで米ビジネススクールで助教授を務めていた筆者が、欧米を中心とした海外の経営学の知見を紹介して行きます。 さて昨今メディアを見渡すと、どこもかしこも「グローバル化」という言葉だらけです。「世界はグローバル化している」「世界は狭くなっている」とはよく言われますし、「フラットな世界」という表現も目にします。 しかし、これらは多くの場合その正確な定義や検証がないまま、印象論と言葉だけが先行している気がするのは私だけでしょうか。「グローバル」や「フラット」は、日本のビジネスパーソンへの強迫観念になっている印象すらあります。 実は、海外の経営学(そして経済学)では、「現在の世界は、我々がなんとなく思い込まされているグローバル化とはかなり違う状況になっている」という事実が、次々に示されているのです。今回は、特に3つの事実を紹介しましょう。それは、「世界はほとんどグローバル化していない」「
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