脱原発で足元を見られる日本 原発の再稼動はおろか、来年には全原発が停止するという状況も予想されるなか、当面の代替電源は、液化天然ガス(LNG)による火力発電しかない。そのため、LNGをいかに確保するかが、ここ数年の日本のエネルギーの鍵を握ると言っても過言ではない。 あまり知られていないが、LNG市場を世界に先駆けて育ててきたのが、東京電力など日本の電力会社だ。日本に輸入される天然ガスの約6割が発電に使われる。加えて世界の天然ガスの輸送は9割以上がパイプラインだが、生産地から遠く海に隔てられている日本の場合、“液化”して運ぶ必要がある。液化のためのプラントや、それを専用に運ぶLNG船の開発には、長期的かつ多額の投資が必要で、日本の電力会社という大口の需要家がいたからこそ発達してきた。 しかし、全原発がストップするとなるとざっと見積もっただけでも、2000万トンのLNGが必要になる。ちなみに日