フランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島に築かれた修道院「モン・サン=ミシェル(Mont Saint Michel)」はカトリックの巡礼地のひとつであり「西洋の驚異」と称され、1979年「モンサンミシェルとその湾」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された、粛々とした美しさをもった場所だ。 Town in the Middle of the Sea - Mont Saint Michel この地では、潮の満ち引きの差が15メートル以上と、ヨーロッパ最大の干満差が観測され、かつては満潮になると島への道が消えてしまい、多くの巡礼者が潮に飲まれて命を落としたという。「モン・サン=ミシェルに行くなら、遺書を置いて行け」という言い伝えがあったほどだ。 1877年に対岸との間に堤防をつくり、地続きの道路が作られ、潮の満ち引きに関係なく訪れることができるようになったんだけども、近年はその堤防のせ