スティーム・パンクというのは、本来はSFの用語だ。 SFの源流は(定義にもよるが)19世紀に遡る。ジュール・ヴェルヌはフランスで1864年に「地底世界」、1865年「月世界旅行」、1870年「海底二万マイル」、1871年「洋上都市」など「空想科学小説」を次々に発表、機械技術がもたらす新たな社会の姿が空想逞しく描かれ始めた。 それから100年あまり、1980年前後に「サイバーパンク」をもじったジャンル名称として提唱されたのがスティームパンクである。 これは要するに、初期SFの作風に影響を受けて現代の作家が描いた「レトロフューチャー」だ。 ヴェルヌが描いたのは当時の知見に基づく「来たるべき未来の姿」である。対して、スティームパンクが描いているのは「来なかった未来」だ。蒸気機関が内燃機関にとって代わられ、電気技術が電子技術へと発展した現代社会ではなく、たとえば蒸気機関が主力のまま成長を遂げた社会
勤労感謝の日に、NHKスペシャル『電子立国 日本の自叙伝』のトランジスタ誕生の回を見た。その中で戦後、トランジスタの製造に必要なゲルマニウムの抽出法を開発した技術者、稲垣勝さんの妻、勢津子夫人の話が心に響いたので紹介する。 今の森林公園は『ワシントンハイツ』といって、軍人さんの家族の(居住区だった)。で、富ヶ谷はいつもいつも停電してるんです。朝まで電気付かないんです。ところがあの中だけはカーっと付いてるんです。自家発電してますから。 そして素晴らしいクルマがね、あそこから綺麗なクルマが出てくるんですね。そして日本のクルマ… まだ山手通りは舗装してなかったんです。そこをね、赤茶けたトラックがね木炭を焚いて、見えてから見えなくなるまで、その長いこと! ガタガタンガタガタンガタガタンといいながら。その横をスー!っとワシントンハイツから出てくるキャデラックだとかね、綺麗な色のクルマがスーイスイと出
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