「表現の不自由展・その後」の中止を知らせる案内。結果的に「表現の自由」について多くの議論を呼ぶことになった(c)朝日新聞社 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止問題。抗議や脅迫の前に挫折した事態は深刻だ。実行委員会が明かした「自由」への侵害とは。 * * * 「この企画展をやり遂げるには相当の覚悟と準備が必要だと考えていました」 こう話すのは、企画展「表現の不自由展・その後」の実行委員会の岡本有佳さん(56)だ。 実行委が「あいちトリエンナーレ2019」芸術監督の津田大介さんから協力を打診されたのは18年6月。このとき岡本さんの脳裏をよぎったのは、過去の展示会で経験した修羅場だ。 ■執拗な妨害や嫌がらせ 「表現の自由が侵害されている実態を可視化したい」 そんな思いから岡本さんら市民有志は、一時中止に追い込まれた元慰安婦の写真展を12年に、各地の美術館