(英エコノミスト誌 2012年3月3日号) 日本は円ウォン相場の呪いを解けるか? 円の強さ、中でも韓国ウォンに対する円高は近年、日本の電機メーカーを赤字まみれにする一因となってきた。今や流血の惨事となった。日本のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは2月27日、日本の製造業では戦後最大となる破綻(会社更生法の適用)を申請した。同社破綻による主な受益者は、韓国のサムスン電子だ。 為替レートが有利なだけでサムスンがエルピーダを倒したと批判する人はいないだろう。巨大エレクトロニクス企業であるサムスンは、多くの日本の競合企業よりも鋭敏で大胆だ。 苦境が厳しさを増すほど高くなってきた円相場 しかし、2008年半ばに世界金融危機が始まってから、円ウォンの為替レートは見事なまでに韓国の輸出企業にとって有利に働いた(図参照)。 2008年半ば以降、ウォンは円に対してざっと50%安くなり、韓国企業が価格面