こういった政策は何も目新しいものではなく、既に欧州中央銀行・スウェーデン銀行・スイス銀行その他の銀行も打ち出しているが、日銀にとってはいまだ慣れない領域である。そして不運にも、市場は日銀の期待通りに反応していない。 * * * * 理論上、マイナス金利は、民間金融機関が中央銀行に預金する際には原則支払いが必要とすることによって、民間会社への貸付増加、続いて消費や投資の増加(雇用増加を含む)を促進させるはずである。さらに、これによって株式市場は立ち直り、家計消費も増加し、為替は円安になって、デフレは終わりに向かうはずである。 しかし、理論はいつでも実践につながるわけではない。日銀のマイナス金利導入が、金利体系をほとんど一瞬で低下させている間に(ここまでは予想済みであったが)、円の為替と株式市況は予期せぬ不愉快な影響を受けたのである。 1つの理由は、日本経済に関する悲観的な認識が広がって
![「レス・ザン・ゼロ」―日本のマイナス金利 日本の状況は、多くが考えるほど深刻なものではない | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.3.3(木) 浜田 宏一](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/88ca44798f108676bf3ed05e2cdb698f68a4e87e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2F1%2F1200mw%2Fimg_01c7102af35ad5bd28eeb4fff065e2351024550.jpg)