経済協力開発機構(OECD)が4月15日に公表した「対日経済審査報告書」では、消費税率を最大26%まで引き上げる必要があるとの提言が話題となった。同報告書では日本の主要政策に対する洞察を行っており、金融政策もその1つだ。懸念事項として日銀のETF購入政策をあげており、具体的には流動性懸念やガバナンス懸念などを日本の文献を引用する形で指摘している。 このコラムでは、主に流動性懸念について点検し、誤解があることを示す。信託銀行持分の性質に対する誤解が要因となっている。そして、日銀による過去2回の購入配分変更が功を奏しており、ETF購入政策が長期持続可能となっていることを示す。最後に、今後JPX400の購入比率を上げればガバナンス懸念の解消にも繋がる可能性を示す。 1. ETF購入限界論の誤解 日銀は年間6兆円規模のETF購入政策を行っており、2018年度の買入れ実績は5.65兆円だった。201