政治改革関連法案が成立した直後の平成6年2月2日、大事件が発生した。 小沢さんと細川さん(そして、斉藤大蔵次官)の手による国民福祉税構想である。 2日の深夜、武村さんに呼ばれて官邸の官房長官室に駆けつけた。 いつもの武村さんと様子が違う。すごい剣幕で怒っている。 「こんなことは許されない。イギリスで議会が誕生したのは国民に税を課したからだ。納税する以上、国民には意見を言う権利もある。だから国民の代表として議会が創立されたのだ。」 「園ちゃん、あんたも知らなかったのか?」とめずらしく激しい口調で園田さん(博之、さきがけ・日本新党代表幹事)を問い詰めている。 「俺も夕方まで聞かされていなかった。それまで福祉税の話は全く議論されていなかった。結果的に騙された気がする。」と園田さん。 すばらしく勘が良く交渉力もある園田さんが、いつになく元気がないのだ。 武村さんによると、細川さんと総理執務室で雑談