ある大手サービス業のCIO(最高情報責任者)がぼやいていた。「本当は、システム子会社のうち開発部隊だけでも本社に戻したいのだが、色々としがらみがあり、なかなか難しいんだよ」。そう思うなら、CIOなのだからぼやいていないで、とっとと戻せばよいと思うのだが、今回の暴論はその話ではない。なぜ、このCIOが開発部隊を本社に戻したいと考えているのか。それに絡む話だ。 このCIOによると、「お見積もり」に象徴されるオーバーヘッドが最近のシステム開発においては、結構つらいそうだ。その企業ではビジネスのデジタル化が進んでいて、もはや新サービスにはITが不可欠。ライバル企業に打ち勝つためにも、新サービスを実現するシステムを素早く作りたい。だが、子会社とはいえ開発部隊が別会社だと、実際の開発以外の作業に思わぬ時間を取られてしまうのだ。 本社のIT部門がRFP(提案依頼書)を作成してシステム子会社に依頼する。シ
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