Joel Spolsky / 青木靖 訳 2006年4月11日 火曜 若い男が町にやってきた。彼は見かけも悪くないし、ちょっとは金も持っていた。 過去のことについてはあまり話したがらないが、血の通ってない大企業に長くいたらしいことは明らかだった。 彼は生まれつき人当たりが良く社交的で、自分に自信を持っていながら傲慢ではない。だから地元のプログラマーズ・カフェにある求職の掲示の中からちょっとした仕事を見つけるのは、彼には簡単なことだった。しかし保険データベースプロジェクトや、主婦向けの飾りだらけのWebページや、会計計算エンジンといったものには、やがて興味をなくしてしまった。 1年もたつと、彼の慎ましい生計を1年支えられるくらいの蓄えができた。それで贔屓にしてくれるアルザス人へのコンサルティング仕事の後、食料品店の上にある自分のアパートの陽の当たる部屋にコンピュータを据え付け、選りすぐったツ