中学生の頃に、仲良くなったクラスメイトがいた。Aちゃんと呼ばせてもらう。 Aちゃんと私は趣味が近くて、お互い小説を読むのが好きだった。買った本の貸し借りなんかもしていて、借りた本の感想の手紙なんかもやりとりするくらいだった。 ある日、Aちゃんの家に誘われた。ある小説がゲーム化したのを買ったから、一緒にプレイしようって話だった。 Aちゃんの家は適度にさっぱりしていて、暮らしやすそうなお部屋だった。そこで私がキョロキョロしていると、Aちゃんが飲み物はコーヒーでいいかと尋ねてきた。私はコーヒーが好きだったので、ありがたく了承した。 じゃあちょっと待ってて、とAちゃんがキッチンに入っていくと、ガリガリという大きな音と、コーヒーのいい香りがしてきた。その音は何かを削っているかのような音で、何が起きたか分からなかった私は無作法にもキッチンに踏み込み、大丈夫?とAちゃんに声をかけていた。 一方のAちゃん