⑧響きとは(その2) ≪解説≫ ⑧響きとは(その2) さて、口腔と咽喉腔についてです。 口腔と咽喉腔とを、二つの空洞として扱っていますが、私は口腔よりむしろ咽喉腔の方が重要だと思っています。 咽喉腔を広く開けるために口腔を正しく開けることが必要なのです。 咽喉腔は声帯の上部からまっすぐ上に伸びる縦長の空洞です。 肺から出た空気が上に向かって声帯を通り抜けて音になるわけですから、音はそのまま上に進み、鼻腔の後ろ上部で跳ね返ってマスケラ(鼻と目の周囲)に当たるのが、もっとも音を無駄なく響かせることができます。 この咽喉腔を声帯のすぐ上で狭くしてしまうものがあります。 上に屋根のひさしを作るようなもので、声はここでさえぎられてしまいます。 その狭くしてしまうものとは『舌』です。 舌が後ろに固くせり上がることで砂時計のくびれのような狭さを作るのです。 舌がせり上がるのは力みです。 舌は常に下の歯に
