光源が備えられた鉄道模型が、床に並べられた日用品の間をゆっくりと移動しながらその影を映しだす。部屋の壁や床、天井に映し出されたモノの影は、電車から見ている風景のように移り変わりながら観者を包み込む。没入・鳥瞰、既視感・未視感といった、相反する体験を交互に繰り返す映像。見る人は知覚を研ぎ澄まし、その体験を語り合うだろう。 分岐を超え、メディアの根源を問い直す新たな世界を開示 観客を眩惑するこの作品のシステムは、シンプルであり空間的に露だ。技術依存的なインタラクティブ・アートの常套句に対し、観客が作品との直接的かつ多様な受容を開くという意味でのインタラクションが実現されている。 また映像装置史の系譜に連なりながら、その新たな展開へと踏み込むものである。古来の影絵や17世紀の幻灯、映画、またモホリ=ナジの光と影の実験にも連なりつつ、世界への俯瞰に加えて光源移動による観客の自己投入(台車からの
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