「10年に1度」の寒波は各地に大雪をもたらし、列車や車が立ち往生した。事業者の対応の遅れが状況を深刻化させた。 JR西日本管内で、24日夜から列車15本が線路上で長時間止まったままとなった。レールを切り替えるポイントが雪や凍結で動かなくなったためだ。乗客は混雑した車内に最大10時間近く閉じ込められ、体調不良で救急搬送された人もいた。 降車を願い出る乗客も多かったが、JR西は応じなかった。一部の列車では「降りるなら自己責任で」とアナウンスされたといい、批判が広がった。 JR西は、車外で転倒する危険を考慮し、運行の再開を優先したと説明している。だが、その判断がかえって乗客の健康を脅かすことになった。 ポイントの不具合も、甘い見通しが招いた可能性がある。 JR西の内規では、降雪が10センチ以上と見込まれる場合、雪を熱で溶かす設備を稼働させることになっている。予想が8センチだったため動かさなかった