国会での開かれた論戦を通じ、政府の施策について国民の理解を得ることができるのか。 岸田文雄首相が伊勢神宮での年頭記者会見で、先送りできない課題について「一つ一つ答えを出していく」と語った。 具体的に挙げたのが、日本経済の再生と少子化対策だ。 看板政策「新しい資本主義」に関連して、「インフレ率を超える賃上げを何としても実現しなければならない」と強調した。ただ、格差是正につながる分配の具体策は示さなかった。 少子化には「異次元」の対策で取り組むと述べ、子ども関連予算の将来的な「倍増」に向け、大枠を6月までに提示すると表明した。だが、新たな財源の手当てがついておらず、踏み込んだ内容を示せるか、本気度が問われる。 「聞く力」をアピールした首相には当初、強引な「安倍・菅政治」からの変化が期待されたが、最近は独断が目立つ。昨年末には国会での熟議を経ずに重要政策の大転換を決めた。 東アジア情勢の緊迫化を