相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件を検証してきた厚生労働省の有識者会議が、再発防止のための提言をまとめた。 当時の衝撃を思い起こし、この課題に社会全体でとり組む姿勢を確かなものにしたい。 容疑者は事件の約5カ月前に措置入院していた。提言は、退院後の対応が不十分だったとの反省にたち、こうした入院患者すべてについて、病院を出た後も引き続き支援する計画をつくることを求めた。監視ではなく、適切な治療や福祉を提供する措置だと強調している。 容疑者はいま精神鑑定をうけている段階で、事件と病気の関係ははっきりしていない。精神医療の現場などには急ぎ足の議論への懸念もあった。提言はそうした声も意識しながら、今回浮かびあがった課題や問題点を改めようとしており、配慮と苦心の跡がうかがえる。 たとえば、容疑者が殺害をほのめかす言動をしていたことから、「警察が早くから関与していれば」との声がある。これに対し提言は