「学力オリンピック」として国別順位に一喜一憂するのではなく、教育政策や自らの学校の実践を見直す鏡としたい。 子どもの学ぶ力を測るため、昨年実施された二つの国際機関の調査結果が発表になった。 一つは、小4と中2を対象に4年ごとに行う国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)。もう一つは、科学、数学、読解力の3分野を3年ごとに調べる学習到達度調査(PISA)で高1が対象だ。経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に72カ国・地域が参加した。 両方の調査が同じ年にあったのは03年以来だ。このときはどちらも順位の下落が目立ち、文科省が「ゆとり教育」路線から「学力向上」路線にかじを切る一因になった。 今回の結果はどうだったか。 カリキュラムに沿った学力を見るTIMSSは過去最高の点数だった。一方、知識や技能を実生活にいかす力を問うPISAは、科学、数学の順位は上がったものの、読解力が4位から8位になり