京都大時計台前の立て看板。大学改革が続くなか、こうした光景も影響力のある論文も減った=京都市左京区吉田本町の京都大で2016年12月24日午後2時半、鈴木英生撮影 日本の研究力を世界トップ水準に高めようと、2023年度、政府が10兆円規模の基金を創設します。基金の運用益から年間数百億円を「国際卓越研究大学」に指定した大学へ配分する新制度を作るとか。「異次元の支援策」だそうですが……。その前にやるべきことがあるのでは、と就職氷河期世代の私は思います。【オピニオングループ・鈴木英生】 どうにもふに落ちない。大学改革は、1990年代初頭から30年以上続いている。高校生だった私が今や40代半ばをとうに越したほどの歳月だ。これだけ改革を続けたあげく、影響力が大きな自然科学論文数の国別ランキング(22年公表)で、日本は過去最低の12位まで転落した。そもそも、この約20年間、大学院博士課程への進学者数は